ぐっすり眠るための生活習慣
睡眠には、心身の疲労を回復する働きがあり、健康を維持するために「睡眠時間の確保」と「睡眠休養感」が必要です。睡眠について正しい知識を身に付け、十分な睡眠時間の確保、睡眠の質をよくすることで、体と心の健康づくりを目指しましょう。
睡眠については、世代ごとに推奨事項が異なるため、ここでは三世代(こども、成人、高齢者)にわけて説明を行います。
対象者 | 推奨事項 |
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こども | ・小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間を参考に睡眠時間を確保する。 ・朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかり摂り、日中は運動をして、夜ふかしの習 慣化を避ける。 |
成人 | ・適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。 ・食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。 ・睡眠の不調・睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣等の改善を図ることが重要であるが、病気が潜んでいる 可能性にも留意する。 |
高齢者 | ・長い床上時間が健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する。 ・食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。 ・長い昼寝は夜間の良眠を妨げるため、日中は長時間の昼寝は避け、活動的に過ごす。 |
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
こども
成長期である高校生までは長い睡眠時間が必要なため、成人よりも規則正しい生活習慣を保つことが大切です。小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間程度の睡眠時間を確保することを心がけましょう。
小学生については、友達との交流や遊びの時間により睡眠時間が不足することがないよう、お父さんやお母さんからお子さんへ呼びかけたり、〇時までといった取り決めを行ったりすることが望ましいです。
中学生や高校生については、課外活動の増加やスマートフォンの使用が睡眠に影響することがあるため、注意が必要です。
また、朝食抜きや午前中に日光を浴びない生活をしていると睡眠や覚醒のリズムが乱れます。さらに、座りっぱなしの時間やスクリーンタイム(テレビ視聴やゲームなど)が長すぎると睡眠の質の低下につながります。
反対に、適度な運動は良い眠りにつながります。 朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかり摂り、日中は運動をして、夜ふかしの習慣化を避けましょう。
成人
若者・働き盛り世代に該当する成人については、6時間以上を目安として必要な睡眠時間の確保を心がけましょう。
仕事などによる日中のストレス、就寝直前の夕食や夜食、朝食抜きなどの食習慣の乱れ、運動不足などにより睡眠の質が低下します。寝る前のリラクゼーションや寝室の睡眠環境(明るさや温度など)等も睡眠の質に影響するため、できる範囲で改善することが大切です。
また、睡眠時の不調(眠れない、途中で目が覚める等)や寝ているのに体が休まった感じがしない感覚が続くような場合は、睡眠障害などの病気が潜んでいる可能性もあるため、注意が必要です。
高齢者
高齢者については、寝室で横になっている時間が長すぎると健康リスクとなるため、8時間以上にならないようにしましょう。逆に、短くする場合は6時間を下回らないようにしましょう。
テレビやラジオ、電気をつけたまま寝るなどの習慣はよい睡眠の妨げとなるため、気を付けましょう。また、できるだけ長く太陽の光を浴びる・習慣的に運動するなどして長時間の昼寝をしないようにして日中を活動的に過ごすことが良質な睡眠につながります。
食生活については、カフェインなどの嗜好品の摂取や過度の飲酒だけでなく、塩分の過剰摂取も夜間頻尿につながり中途覚醒が増える可能性があるため、注意が必要です。
※睡眠には個人差があり、また、身体の状況などについても個人差が大きいことから、個人の状況に応じて上記の生活習慣を取り入れることが大切です。